工場騒音や生活音対策は環境スペースへお任せ!
工場騒音対策事例 株式会社武蔵野様(東京都)
株式会社武蔵野は、びん、缶の回収、選別の作業を行っている廃棄物再生業者。
東京都内の同社びん選別作業所は、外部からの騒音指摘をきっかけに環境スペースに防音工事を依頼した。
同社専務 北田等氏に詳しく伺った。
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―武蔵野の業務について教えてください。
武蔵野は、「びん」「缶」の廃棄物再生事業者です。
事業所はここ東京営業所のほか、埼玉県戸田市に2カ所あります。
東京営業所はびん専門の分別作業所です。ごみ集積所から回収を行い、色別に選別を行い、
廃棄するもの、再生できるものに分別しています。従業員は30名で、うち20名は資源ゴミ集積所を回る
回収員(ドライバー)です。設立は昭和30年、年商は3億円です。
―環境スペースに依頼した対策工事の内容を教えてください。
2008年1月、環境スペースに、東京営業所の防音工事を依頼しました。
防音工事・対策を施したのは、倉庫2階の作業場部分です。壁および天井を防音壁にし、窓、玄関を二重にする
などの防音施工をしてもらいました。これにより、工場から外に漏れる音を大幅に防ぐことに成功しています。
―今回、防音工事を行うことになった経緯を教えてください。
2007年12月、「びんの音が響く」という騒音注意を受けました。
―東京営業所の周辺は住宅が多いのですか。
はい、現在はほとんどが住宅です。武蔵野の東京営業所は、1996年に建てました。建てた当時は、このあたりは町工場が多かったのですが、最近はそれがどんどんマンションに代わり、今現在は倉庫のまわりは三方をマンションに囲まれています。
―びんの回収、選別はどのような騒音が出る作業なのでしょうか。
東京営業所は2階建てで、1階は回収してきたびんを集積、フォークリフトを使って専用エレベーターで2階に運ぶ作業をしています。これはさほど騒音が出る作業ではありません。
騒音が出るのは2階の作業場で行うびんの選別作業です。回収びんをベルトコンベアに乗せ、常時3名の作業員がびんの色を選別 してそれぞれ鉄製のボックスに入れていくのですが、この際、びんとびんとが当たる「かしゃーん」という高い音が出ます。3名が両手で次々と箱に放り込む形で処理していきますので、この高音が間断なく出ることになります。朝8時から夕方5時まで、昼休みを除いてこの作業が続けられます。
外を歩くと、2階の窓から「かしゃーん、かしゃーん」という音が常に響いている状態でした。でも意外に思われるかもしれませんが、これまで何か言われたことは一度もありませんでした。ですから今回は、、直ちに対策をしなければならないと思いました。
―指摘を受け、対策しようと思った。まずどうされましたか。
防音工事をしてくれるところはないかとすぐにインターネット検索を行いました。「防音工事」というキーワードを入れ、検索結果の上のほうにあったサイトを見ていくと、環境スペースのサイトがありました。個人向けの印象が強いサイトが多い中で、環境スペースのサイトには「工場騒音対策」と書かれていて、これは私が探しているものだと思ったのでメールで問い合わせをしました。暮れも押し迫った12月26日のことです。年内には、何らかの手を打っておきたいと思いましたが、しかし、年末なのでどの会社も対応してくれるのは難しいだろうと思っていました。
―そしてどうなりましたか。
環境スペースからすぐに電話があり、その翌日には現況確認と測定行ってもらいました。スピーディな対応には驚きました。
年明け早々には、環境スペースが設計図面を作ってきてくれて、ここの部分にはこういう防音工事でこういう対策をしましょうという提案を受けました。同時に見積もりも出してもらいました。
対応が早く、プランも納得できたので、2008年1月、環境スペースに防音工事を依頼しました。
―防音工事費用はどれぐらいでしたか。
900万円強です。行政から環境対策の工事に関しては金利補助がありましたので、
それを利用し、0.7%の金利で銀行から資金を借りることができました。
―防音工事は利益を出すだめの工事ではないのに、銀行からの借り入れを起こしてまで
防音工事を行われたわけですが、採算は合うのでしょうか。
ここ数年、周りがどんどんマンションになっていく中、いずれ環境問題が深刻化していくだろうと予測はして
いました。しかし移転しようにも、東京都内ではもう住宅のないところはありませんし、あったとしても移転に
かかる費用は莫大になります。借り入れを起こしてもここで防音工事をするのが得策だと考えました。
また、今回の工事は会社としての差別化にもつながるのではと思ったこともあります。
今後はリサイクル業者は何らかの防音対策は必須になってくると思っていますが、実際はまだ同業者で
防音対応をしているところはほとんどありません。
―防音工事はどのように進んでいきましたか。
1月末から2月まで3週にわたり土日月、計9日間の工事でした。土曜の工事は午後からでしたが、午前中の作業がずれこんでしまうこともありましたので、職人さんには待ってもらうことが多く大変だったと思います。
―本当に予定通りの防音性能が出るかどうか、不安ではありませんでしたか。
いいえ、不安はありませんでした。環境スペースからは、最初に防音工事の内容について詳しい説明があり、使用する材料でどのような効果が見込めるかなどを聞いていました。また、1週目2週目と工事が進むうちに、まだ完成前なのに明らかに外に漏れる音が減ってきていました。
―ところで、今回の防音工事は、外部への防音対策だけでなく室内防音の対策も行ったと伺っています。
はい。職場環境改善のための室内防音対策は環境スペースからの提案でした。
作業場内の騒音は相当なものです。作業員は連続して作業すると難聴になる恐れがあるために交代制にし、
「イヤーマフ」と呼ばれる、話声だけを通し騒音をカットする特殊なヘッドホンを全員に配るなどの対策を行って
います。しかし環境スペースの話では、びんの当たる高音は、これまでの普通の壁だと反射してしまうので、
音がさらに増幅されていた状態だったということです。
そこで、壁と天井を厚さ50ミリの吸音材の防音材を使えば高い音を吸収するので、反響がなくなり室内騒音が
緩和されるということでした。この吸音材は通常の防音材より高いのですが、これまで使っていた壁のボードを
破棄せずに生かすことができたということで、余った予算を吸音材の費用に充ててくれました。
とてもよい提案でした。
―吸音材を使ったことにより、室内騒音は改善されましたか。
はい。工事後、作業員は口々に「音がだいぶ違うね」と言っています。
―防音工事終了して、効果はいかがでしたか。
工事終了後は、環境スペースに騒音測定をしてもらいました。工場外の交差点の角で計測した結果
によると、
工事前は60デシベルだったところ、49デシベルにまで下がっていました。これは、区の定める環境基準
よりも低く、周りを走る車の方がうるさいという結果
です。遮音性能で言えば、工事前D-15だった値が、
工事後D-25にまで向上しました。
体感としても明らかに違います。作業中に外に立って音を聞いてみましたが、以前よりもぐんと音が
小さくなくなりました。さらに、防音工事には予想していなかった意外な効果
もありました。
―意外な効果とは。
工事後は天井も壁も真っ白になり、部屋がきれいになりました。不思議なもので、きれいになると、
作業員も仕事場をきれいに使ってくれるようになりました。
―環境スペースのよいところを教えてください。
予定通りの防音性能が出たこと、そしてそれをきっちりと測定してくれたことが何よりの評価点です。
その他に思いつくことは以下3点です。
評価点1:「対応が早かった」
年末26日に問い合わせして、年内に測定に来てくれるなど、即時の対応をしてくれました。
おかげで安心して年末年始を過ごすことができました。
評価点2:「見積もり金額内でよい提案」
前に述べたように、予算内でやりくりして室内騒音対策をやってくれるなど、こちら側に立った提案を
してくれました。また、こういった工事業者は、よく、始めてから追加追加で請求されることもありますが、
環境スペースは最初の見積もり通りの金額で収めてくれました。
評価点3:「予定通りにやってくれた」
スケジュール通りに工事が進みました。営業をしながらの工事なので、これは助かりました。
環境スペースの防音工事にはとても満足しましたので、びん、缶の分別
作業を行う戸田倉庫でも
同様の工事を行うことにし、先日発注したばかりです。
―戸田倉庫でも苦情があったのですか。
いえ、戸田倉庫は工場街にあり、周りからの苦情はありません。しかし今回、東京営業所の防音工事を
行ってみて実際に騒音が漏れなくなったのを見て、自主的に行うことにしました。
―なぜ自主的に行うのでしょうか。
これから、環境に対する意識がどんどん高まってきます。私たちのような事業を続けて行くには防音を
始めとするまわりへの配慮の施策は必ずついて回る問題になってくると思います。
武蔵野が2007年9月に環境マネジメントシステム「エコアクション21」の認証を取得したのもそのためです。
今後企業として生き残るためには、言われたからやる、というのではなく、周辺の環境に率先して配慮をする
姿勢が必要なのではないかと考えています。
―今後の期待があれば教えてください。
環境スペースには今回の防音工事では大変お世話になりました。おかげで周囲の配慮をしつつ作業に
専念できる環境を作ることができました。武蔵野は、今後もリサイクル業者として、環境への配慮を
行っていきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします。
※ 取材日時 2008年4月
※ 事例制作 アッパーウエスト